プロフィール

wako1202

Author:wako1202
FC2ブログへようこそ!

進行中の趣味:写真、旅行、水泳、読書
中断中の趣味:ダイビング、書道

Nest: 横浜

最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

Welcome from 020311

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

月別アーカイブ

『みかづき』 森絵都

作者 森 絵都は1968年東京都生まれ。06年『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞を受賞。この受賞作を読んだことがあります。

本書『みかづき』は467ページの長編ですが、面白くて読みやすく、どんどん読めました。

「『私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです』昭和36年。人生を教えることに捧げた、塾教師たちの物語が始まる。胸を打つ確かな感動。著者5年ぶり、渾身の大長編。

小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に、塾も順調に成長してゆくが、予期せぬ波瀾がふたりを襲い――。」

主人公が誰と特定できない塾をめぐる家族の群像劇です。

戦中から戦後にかけての熱い教育論が飛び交います。千明(昭和9年生まれ)は戦前の教育の反動から公教育に対し強い不信を抱いており、一方大島吾郎はソ連の教育家スホムリンスキー(1918年生まれ)に魅せられ、理想の教育を追い求めます。

私はその少し前のヴィゴツキー(発達心理学)について少し勉強をしたことがありますが、このスホムリンスキーについては全く知りませんでした。

戦後の教育史が綴られています。

昭和36年、用務員の大島吾郎は小学校の用務員室で、勉強の分からなくなった子供達に補習を行なっていました。子供達の自発を促す待ちの指導を行い、「大島教室」と評判になっていました。ある日1年生の蕗子は母・赤坂千明に頼まれ、生徒として大島教室に教え方を偵察に行くのです。そのあと、吾郎は蕗子の母、千明から学習塾立ち上げの協力を求められます。そして千明と吾郎は千葉の一軒家を借りて塾を始めます。

昭和30年代の教室や先生、自分自身や子供達の教育を追想しながら読みました。

千明は母親頼子と娘蕗子の女3人暮らし。5歳年下の吾郎と結婚し、二人の娘をもうけ、家族総出で塾を経営していきます。女5人の女系家族です。千明は熱く燃えた鋼鉄のごとき女性で、自分の意志を曲げることを知らず、「学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在」、「太陽の光を十分に吸収できない子どもたちを、暗がりの中で静かに照らす月」と自分の塾を位置づけ、信念を持って突き進んで行きます。

吾郎と千明の塾が大きくなって行くにつれ、吾郎はあくまで規模を広げない補習塾、千明は受験競争に勝つ経営規模拡大と、二人の方針の違いが明確になり、千明は夫であり塾長でもある吾郎を追い落とします。

長女蕗子は義父を慕い、母への反発から「理想理想ってお母さんは言うけど、本当にそんなものがあるんですか。あるとしたら、どこに?」と言って家を出て、学校の教師となります。

母親似の強さを持つ次女の蘭、自由マイペースな三女菜々美、そして、蕗子の長男一郎と話は続いていきます。一郎はおっとりしていて、卒業後も漫然と日々を過ごしていましたが、厳しかった千明の死後、恵まれない子供達への教育の道を見つけていきます。

ひたすら強い女性陣に対し、器の大きさの感じられるおっとりした吾郎、学生時代の信念を貫く蕗子の夫の上田など、男性陣がなかなかいい。
そうかなあ。私は女性の方が男性より柔軟だと思ってきたけど。。。

夫婦、親子、子育て、老後、死、学校、教育史、教育論、女性・男性の生き方、どの観点から読んでも面白かったです。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

<< 梅雨の晴れ間の鎌倉 | ホーム | 季節は変わって >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 ホーム