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『續明暗』水村美苗

今年は10月末から昨日までに4つの写真展がありました。その前にはそのための作品作り、合間にスリランカ旅行が入りました。12月に入って二つ写真展があり、昨日搬出が終わりほっとしました。他にも友達の展覧会などもあり、今年の陽気と同様、芸術の秋が長引きました。

漱石の『明暗』に引き続き、水村美苗による『續明暗』を読み終えてだいぶ経ちますが、なかなか振り返る時間がなく、間が空いてしまいました。

「もし、あの『明暗』が書き継がれていたとしたら…。漱石の文体そのままに、気鋭の作家が挑んだ話題作。芸術選奨新人賞受賞」

「漱石の死とともに未完に終わった『明暗』―津田が、新妻のお延をいつわり、かつての恋人清子に会おうと温泉へと旅立った所で絶筆となった。東京に残されたお延、温泉場で再会した津田と清子はいったいどうなるのか。日本近代文学の最高峰が、今ここに完結を迎える。漱石の文体そのままで綴られて話題をよび、すでに古典となった作品。芸術選奨新人賞受賞」

著者曰く、「『明暗』の続編を書けば,どのようなものを書こうと,誰が書こうと、批判を受けずには済まされない。漱石もこう終えたであろうと万人が納得できる『明暗』の終えかたもなければ、漱石に比べられて小さく映らずにすむ現存の作家もいない。(中略)漱石は依存として漱石であるほかはない」。

深く丁寧に漱石作品を読み込んでいた著者は『明暗』の続きをどうしても読みたいと念じ、『續 明暗』 を書きたいと決断したのだろう。漱石より「話の筋の展開を劇的にした」ということである。

漱石の文体を似せていはるが、私には漱石よりはるかに読みやすく、ドラマチックな展開に引きつけられ、ワクワクしながら,あっという間に読み終えてしまった。

さて、漱石の『明暗』は津田が術後、吉川夫人にそそのかされ、津田の結婚前の婚約者である清子が静養する湯治場へ行き、清子と会って、話をしているところで終わっている。清子がどうして突然自分の元から去り、友人の関に嫁いだか知りたいがためである。

それは清子らしいことばで語られている。

「此間からずつと貴方に申し上げてるやうな気が自分ぢやしてるんですけど、貴方は最後の所で信用出来ないんですもの」

「貴方つて方はそんな御自分のお気持にも充分に真面目になれないんだもの。昔から左うだつたし、今だつて左うなんです。自分を捨てるつていふことがおありぢやないから些とも本物ぢやないんです。他人は気が附かないだらうつて高を括つてらつしやるけど、そんなもんぢやないんです。他人には解るんです。今回だつて真実、何がなんでも……私に会ひにいらしたんだつたら、左うしたら、私だつて、此胸にちやんと感じると思ひますわ。左うしたら……」

人間として信用できないと言われた津田。自意識過剰で,自分が傷つくことを恐れ、本気で真正面からぶつかろうとしない男。

終盤では漱石の『明暗』でバイプレーヤーとして登場してきた人物たちが湯治場に集合する。津田の妻お延も。

最後、「お延は、一体是から何処へ行くべきだらうかと、自分の行先を問ふやうに、細い眼を上げた。―― お延の上には、地を離れ、人を離れ、古今の世を離れた萬里の天があるだけだつた。」と結んでいる。


それぞれの登場人物がこれからどうなるのか暗示だけで、後は読者に委ねられています。

漱石の作品の中で『明暗』はほかの作品とちょっと違って、テンポがあり、ドラマの展開がはっきりしていると思いましたたが、『續明暗』では,その部分が強調されているように思いました。

今、朝日新聞に『門』が連載中です。旅行中抜けた部分とその後の数日分は青空文庫で読みましたが、途中からまた新聞連載に戻りました。しばらく漱石の余韻に浸っていたい気分です。

ちなみに昨日までの写真展には『青春の追懐』と題して3枚組写真を出品しました。撮影地は東大、三四郎池で、モノクロA3ノビでまとめてみました。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

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