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『カノン』by 中原清一郎(外岡秀俊)

著者 中原清一郎(1953年生まれ)は学生時代に『北帰行』により文藝賞を受賞したのに、朝日新聞社入社し、小説活動を中止し、ジャーナリストとして活躍。
本名外岡秀俊の名で書いた新聞の記事やコラムにずっと注目していたので、こんな小説を書くのかとびっくりました。

この人の書いた小説ということでノンフィクションに近い小説かと思って読み始めましたが、近未来小説です。

「記憶を失っていく難病の32歳・女性。末期ガンで余命1年を宣告された58歳・男性。男と女はそれぞれの目的を果たすため、互いの肉体に“入れ替わる”ことを決意した。「北帰行」から37年―外岡秀俊が沈黙を破る感動長編。」

著者の寄稿によれば、「郷里の札幌に帰った。ホームに入った父は認知が進んでほとんど会話できず、時々視線が合うと、微笑むことがあった。(中略)父の生前、よく母がこういった。「意識がしっかりして体が不自由なのと、頭は朦朧としていても体が自由なのと、どちらが幸せなのかしら?」。それは、母にも自分にも、いずれ突きつけられる晩年の不可避の選択だ。(中略)その二人が契約を交わして、脳の一部を交換したら?」
これが執筆の動機です。

近未来にこのような医学的進歩はありえても、実行されるとは思えない設定です。なぜなら私自身は決して望まないし、こんなことを望む人がいるとは思えないからです。にもかかわらず、十分感情移入できました。なぜなら、年齢、性を越えた人生、アイデンティティーを問いかけているからだと思いました。

***
ジンガメル症候群(若年性アルツハイマーのような難病)という徐々にすべての記憶が失われていく難病に侵された32歳の女性編集者,氷坂歌音(カノン)。彼女には彼女を支える夫(拓郎)と4歳になる男の子(達也)がいる。

一方58歳の寒河江北斗は広告代理店の部長代理、妻と娘がいる。

この二人がアメリカで数年前に行われたた脳間海馬移植という方法で,北斗の海馬はすべての記憶が薄れていく歌音の身体に、歌音の海馬は膵臓末期がんの北斗の身体に移植される。日本での2例目となる。

歌音は息子達也の幸せを願い、歌音自身の記憶と心は病に侵された北斗の肉体とともに死ぬという過酷な運命を受け入れながら、58歳の北斗に母親として生きてもらうことを望む。そうなると心は58歳の経験と記憶を持つ男性のままだ。

歌音として生きることを選んだ北斗は4歳の男児の母親になり、仕事に復帰する。性が変わったことへの戸惑い、職場でのトラブル、親子間のトラブルなどの葛藤を越えて、新しい自分「カノン」を受け入れていく。

歌音の子供を愛するあふれる想いがカノンの旋律となって繰り返し流れます。

「心ってどこにあると思いますか」「心って、渚みたいなものではないでしょうか」
「心って水のようなものだと思います」「北斗の海馬が歌音の体に移植され、しばらくは干渉状態が続きました。(略)でも、その組み合わせがしっくりいくようになると、器官はひとつになって、そこに水を入れることができる。そうやって新しい「心」が生まれるのだと私は思います」

歌音の母和子は新しい歌音に言う。「あなたは、今までのあなたのままで生きていい。いまのわたしとあなたは、母と娘っていうより、同じ境遇の者同士。すっかり心を許しあって、何でも打ち明けられる友達なのよ」

ありえない設定なのに、涙があふれました。読んでみてください。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

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