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『東京プリズン』by 赤坂真理

作者赤坂真理(1964年、東京生まれ)、 2012年、『東京プリズン』により第66回毎日出版文化賞、第16回司馬遼太郎賞受賞。2013年、同作により第23回紫式部文学賞受賞。

『東京プリズン』というタイトルから東京裁判(極東国際軍事裁判ーThe International Military Tribunal for the Far Eastーは、第二次世界大戦で日本が降伏した後の1946年5月3日から1948年11月12日にかけて行われた)のノンフィクションに近い小説だと思って読み始めました。この裁判については大変興味はありましたが、実際を知らなかったからです。

しかし、すっかり裏切られてしまいました。それはつまらなかったという意味ではなりません。小説としては非常に重層な仕掛けを持ち、現実と幻想が混濁する新しい感覚の小説だと思いました。読了までにとても時間がかかりました。作者の感覚について行けなかったからだと思います。

「戦争は忘れても、戦後は終らない……16歳のマリが挑んだ現代の“東京裁判"を描いた 著者9年ぶりとなる感動の超大作。」

***

話は1980年頃の16歳のマリと、2010年頃の母親の年齢になった40半ばの作家マリが行ったり来たりしながら、時に電話で一体になったりする。

15歳で突然母親から米国北東部の酷寒のメイン州に突然留学させられた。おぼつかない英語に異文化への戸惑い。留学して半年後自分の年齢の学年に上がれるかどうかのテストとして、天皇に戦争責任があるか否かのディベートをさせされる。そして話はアメリカの南北戦争、ネイティブアメリカン、米国の恥部ベトナム戦争や2011年3.11まで及ぶ。

母親は東京裁判で資料翻訳をしていたらしい。しかし、母はそれを語ろうとしない。母親への思慕と葛藤。

日本という「家」が戦後、自らどう戦争責任をとらえたのか、「軍国主義の看板を下ろして経済戦争に集中し」、やがて土地のバブル高騰と東京の拡散、バブル崩壊、長引く不況。そして津波に原発事故。
 
話はファンタジックに、メイン州にいる15歳の「私」が、離婚して今は一人で生活している40半ばの「私」にコレクトコールをしてくる。過去の自分と向き合う今の「私」は彼女の母を装う。窮地に陥るたびに少女の私は幻聴、幻覚の中で出会う人々の助けで、日本、日本人を理解し、母親を理解していく。

最終章は「16歳、私の東京裁判」ディベートの本番

「ものすごい真面目な主題に、大真面目に、ゲーム的な理論が取り入れられている。ヴェトナム戦争の兵士運用にカラッとしたスポーツ理論みたいのが取り入れられていたように。そこがアメリカの空恐ろしさな気がした」

「先生は東京裁判をやり直そうとしている。でもなぜだ?」
 
ディベートのラストに行われる少女の「私」は英霊を含めすべての声なき人々の声の助けで壮絶な大演説を行う。天皇論、文明論、宗教論の核心に触れる。

こういう現実だか幻だかわからない状況が繰り返され、すんなりと読ませてくれなかった。

以下私の覚え書きです。
ベトナム戦争はthe muddy warという汚名がある。ペンタゴンが砂糖とスパイスを加えた戦争だった。この砂糖が”RTD-rotation tour date”で、兵士は戦争が終わるまでではなく、1年で帰国できた。スパイスはR&R-rest & recreation で5日間与えられる平和な国で過ごせるフリーの戦闘休暇もあった。

ヴェトナムの結合双生児が言う。「感服〜一つの民族がそれほど歴史を忘れて生きていけるとは」

第二次世界大戦下の戦時国際法に、「平和に対する罪」なんて言う概念はなかった。

「私」は思う。「ヒロヒトは軍部のパペットか。ーパペットじたいに魂が宿っているなら、何か特別な霊力が宿っていると思われていたら。」

戦犯ABCとは種別であって、罪の重さではない。クラスA「平和に対する罪」クラスB「通例の戦争犯罪」,クラスC「人道に対する罪」

日本国憲法のドラフト
Chapter 1 The Emperor
The Emperor shall be the symbol of the state and of the unity of the people deriving his position.

Chapter 2
Article 8(9ではない) Renunciation of War
War as sovereign right of nation is abolished.

こういう話は小説の形でしか表せないのだろう。16歳の時、アメリカのハイスクールで天皇の戦争責任についてディベートしたというのは作者の実体験なのだろうと思った。

大きなスケール感のある小説でしたが、読み疲れた感があります。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

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