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『愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない』by 伊集院静

ベストセラー『大人の流儀』は何冊もシリーズで出版されましたが、およそ伊集院らしくない、つまらない本だと思いました。もう伊集院静の本を読むのは止めようと思っていました。

でも、『いねむり先生』がよかったので、これと同系統の本だと思い、この長い題名の『愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない』を読んでみました。

「妻の死後、アルコールとギャンブルに溺れ、生きる軸を失ってしまったユウジは関西に居を移し、スポーツ紙の競輪記者エイジと出会う。淋しがりやで、ケンカっぱやい男だった。他人と折り合うことの苦手なユウジもなぜかエイジだけには気を許せ、奇妙な安堵感を覚えた――。
CMディレクター時代の後輩、今は芸能プロダクションの社長である三村と再会した。ユウジを慕い、妻の病室に入れた唯一の男だった――。
「私はあなたの小説が読みたいだけなんだ」と編集者木暮は執拗に迫った――。
まっとうな社会の枠組みでは生きられない三人の“愚者"たちとの濃密な時間、友情を越えた男と男の愛を描いた著者渾身の自伝的長編小説! 」

作者の分身ユウジが愚者たちとともに過ごした場所、奈良、梅田、函館、小倉、新宿、立川、難波、浅草、歌舞伎町、六本木、神楽坂、天王寺、京都、向島、横浜など、たくさんの地名が章立てになっている。この横浜が作者が一番思い出したくないという、少年時代を決別し、彷徨した場所だ。「いねむり先生」こと色川武大こと阿佐田哲也も登場。

始めは関西弁の会話文が読みにくかった。

競輪記者のエイジが言う。
「人間はな、人の前で馬鹿ができへんかったら…、しょうもないんと違うんかい」「他人に笑われてなんぼのものと違うんかい!」
「ユウさん、わしもあんたもパチモンや、決まっとるやないか」
「生き恥を晒しとうないんや」
「反省なんぞ誰がするかいな。大丈夫やと思うて一生懸命杭につかまっとったら、いつの間にか潮が満ちてきてもうて水が首のこのへんまで来とんのや。ぺちゃぺちゃ波の音がしてアゴを上げてもうとる自分が居てんのや」

ユウジは思う。「淋しいと思わない人間がいるのか」愚者をいとしいと思う。

競輪の旅打ち、酒、ギャンブル、女、喧嘩。
愚者たちは病に冒されたり、失意の中にあってユウジに逢いたいと思い、ユウジも懸命に探すが、「生き恥をさらしとうない」ため、逢うことなく別れのときを迎える。そしてユウジは死後それを知らされる。

自分の美学の中で生きる男たち。男たちがこんな絆を紡ぐことができるのなら、脱帽するしかありません。
『流儀』シリーズなんて読まずに、男たちよ、この本を読んでみてください。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

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