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『彼女の家計簿』by 原田ひ香

著者原田ひ香は1970年生まれ。2014年1月書き下ろし発行の新しい本です。

物語の中心にあるのは、瀧口里里(りり、32歳)の祖母、加寿の戦中戦後の家計簿である。加寿(大正9年生まれ)は夫を戦地に送り出し、姑と共に夫の帰りを待つ。代用教員として小学校の教壇に立つ加寿は教師として働く喜びを見いだし、家計簿とともにその気持ちを綴る。加寿は私の母より少し若いが、文を綴るのが好きで、芯の強いところが母に似ている。

戦後帰還した夫善吉は定職につけず、卑屈な人間となり、妻の加寿が働くことにもプライドが傷つく。そういう夫婦に波風が立つ。

そして現在。加寿は生前水商売の女性の自立支援をするNPOを支援し、自分の土地建物をこのNPO「夕顔ネット」に遺贈する。

この家計簿を押し入れから発見した、女性の自立を支援する団体の代表三浦晴美(42歳)は、その家計簿を加寿の娘朋子(昭和23年生まれ)に送る。が、朋子は母加寿が朋子や家族を捨て、男と心中したと言われて育ち、「みっともない」ことを何より嫌い、心を凍らせ、家族のふれあいを拒絶した女性となる。朋子はこの家計簿を開けることなしに、加寿の孫で、娘の里里に家計簿を送りつける。

里里はプログラマー、妻子ある男を愛し、啓(2歳)を抱えるシングルマザー。母朋子から拒絶され、孤独に仕事子育てに奮闘しているが、ある日会社が倒産する。就活をしながら里里は少しずつ祖母の家計簿を読み始めるが、家計簿を送ってきた三浦晴美に連絡をとる。晴美も悲しい過去を持ち、谷中にあるこのNPO「夕顔ネット」の仕事没頭している。

軸となる家計簿の端々にその時代の背景、加寿の細やかな息遣いが流れる。

男と心中したと聞かされてきた加寿はどのように生きのびて、朋子とも連絡をとらずにどうして谷中で一人暮らしていたのだろうか。

戦中戦後、バブル期、現在と、物語は時代を行きつ戻りつしながら進んでいく。加寿も朋子も里里も晴美も家族の枠を外れ、生きづらい世をそれぞれ懸命に生きる。

里里と晴美は家計簿から加寿の足取りを追い、加寿の思いを感じ、固まった氷を溶かしていく。

いい本でした。特に女性にお薦めです。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

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