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『ホテルローヤル』by 桜木紫乃

著者桜木紫乃は1965年生。釧路出身。釧路を舞台にした本書「ホテルローヤル』で、2013年直木賞受賞。

本書の「ホテルローヤル」は釧路のラブホテル。著者15歳の時に父親が「ホテルローヤル」という名のラブホテルの経営をはじめ、高校時代には部屋の清掃を手伝っていたそうです。

本書は今や廃墟になったラブホテルを舞台にした、7編からなる短編集といっていいでしょう。7編の構成もよく、釧路郊外の街の様子、このラブホテルにまつわる人々の様子が丁寧に描かれています。ラブホテルが舞台なのに猥褻な描写はなく、ちょっとした人間の気持ちや心の襞、小さな幸せが丹念に、しかし淡々と書かれています。どの人も懸命に生きている様子に共感を感じました。文章のうまい、いい作家だと思いました。

時は順にさかのぼっていきます。ストリーを知りたくない人は以下を読まないでください。◎がよかった短編です。

「シャッターチャンス」
中学の同級生だった二人、今はスーパーマーケットの事務員美幸とアイスホッケーの選手だったが、怪我で引退し、挫折感に浸る貴史。貴史は今や廃墟になったホテルローヤルで美幸のヌード写真を撮って、ヌード写真雑誌の「シャッターチャンス」に投稿しようとしている。

◎「本日開店」
設楽幹子は観楽寺2代目住職の大黒(妻)だが、住職は不能だった。檀家の支援をもらうため、檀家の老人たち4人の相手をつとめて「お布施」をもらっている。ホテルローヤルの社長田中大吉が「本日開店」という今際の言葉を吐いて、死亡するが、誰も彼の遺骨の受取り手がなく、観楽寺で供養することとなる。秀作。

「えっち屋」
田中大吉の娘雅代は高校卒業と同時に家業を手伝って10年。ホテルで心中事件も起き、閑古鳥が鳴くようになり、昨日で営業を終え、ここを去ろうとしている。アダルトグッズの営業マン宮川はこうした商売に似合わず、真面目で堅物。雅代は最後に宮川とこのグッズを使って遊ぼうと誘いかける。

◎「バブルバス」
大型家電に勤める真一と、狭いアパートで不登校の娘と舅に煩う恵の夫婦は新盆で墓参りにきた。住職に供養を頼んだが、住職は来ない。お布施の5000円が余った。帰り道、恵はホテルローヤルの看板を見て、「あそこ、入ろう」、「いっぺん、思いっきり声を出せるところでやりたかったの」と夫を誘う。市井の人の心のひだと小さな幸せにジンときます。

「せんせぃ」
高校の数学教師野島広之は木古内に単身赴任している。妻は高校時代の担任と20年関係を続けている。彼は野島の上司。野島が担任をしている高2佐倉まりあと駅で出会い、札幌まで一緒に行くことになる。まりあは家庭が崩壊し、家を失う。
札幌の家へ辿り着くと、妻は不倫相手の校長と一緒のところを目撃する。野島とまりあは釧路を目指す。

◎「星を見ていた」
ホテルローヤルの掃除婦、60歳になる山田ミコ。ずっと働き詰めだったミコは35歳の時に10歳年下の漁師の山田正太郎と出会い、結婚する。そして3人の子供をもうけるが、怪我をしてから夫は船を下り、働かない。音信のあるのは次男のみ。ミコは母親の残してくれた言葉をいつもかみしめる。「誰も恨まずに生きていけや」「何があっても働け。一生懸命体動かしている人間には誰もなにもいわねぇもんだ」そしてミコはいつもコマネズミのように働き、ニコニコ笑っている。切ないお話なのに、ミコの自然体の強さがまぶしい。

「ギフト」
ホテルローヤルの社長田中大吉が家族を捨てて、団子屋の若い売り子、るり子を幸せにしたくてラブホテルを建てる。

この短編はまだまだ続きそうな感じですが、続編はあるのでしょうか。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

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