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『グロテスク上、下』by 桐野夏生

先に佐野眞一のノンフィクション『東電OL殺人事件』を読みました。慶大経済学部卒、東京電力管理職となった女性が街娼となり、殺された事件です。

下記私のブログにその読後感があります。
http://wako1202.blog50.fc2.com/blog-entry-622.html

佐野は彼女の行為を「大堕落」と呼び、「心の闇」に迫ろうとしたのでしょうが、迫りきれておらず、私には推測するしかありません。これを桐野夏生が小説にしているというので、読んでみたのが本書『グロテスク』です。

本書は泉鏡花賞受賞作品。初出「週刊文春」2001年2月~2002年9月、単行本2003年6月発行

読後の感想としては、小説家というのはとんでもない想像力で、ストーリーを構成していくものだということです。主人公は被害者女性でも犯人でもありません。被害者佐藤和恵(渡辺泰子)がQ女子高校(慶応女子高)で出会ったハーフのクラスメートが主人公の「わたし」です。

「わたし」には、ハーフの良さだけもって生まれた完璧な美しさをもつ妹、ユリコがいた。「わたし」は幼いころからそんな妹を激しく嫉妬し、憎んでいた。「わたし」は勉強に励み、Q女子高に入学する。そこは優秀でなければならないが、努力をださいと思うような、下からの内部生が支配する階級社会だった。

「わたし」同様、佐藤和恵はともに外部生。和恵は内部生に順応しよう、1位になろうと孤軍奮闘するが、それは空回りし、蔑みの対象にしかならなかった。そうこうしているうちに帰国枠(美人枠?)でQ女子高にユリコが転校してくる。

慶大経済学部から父親の会社でもあった一流建設会社に入社した和恵、高校時代から売春を繰り返し、退学処分となったユリコ、そして勉強からも男からも距離を置く「わたし」。20年の時が過ぎ、ユリコと和恵は渋谷円山町で娼婦となって出会う。

どうしてふたりは娼婦となり、ぼろぼろになっていったのか。桐野は、自分に都合のいい「わたし」の話、ユリコと和恵の日記、犯人とされる中国人チャンの上申書といった構成でその素因を明らかにしていく。

被害者の家族はもちろん、賢い東電、慶応の関係者はきっと彼女についての真実(知っていること)を語らずじまいだったのだろう。だから小説として奇想天外にしか被害者を語ることはできなかったのかもしれない。たしかに彼女の短い一生も波乱万丈、支離滅裂だったけれど。

ハーフの姉妹、オウムに入会し、事件を引き起こす同級生、同校教師の息子で男子高校生の美人局、何やら話を広げ過ぎ。サスペンスを得意とする桐野はびっくりするような結末を用意している。

ひたすら努力の人であった被害者は人の評価から自由になれない人だった。(私を含み、たいていの人がそうだけど)
桐野は、被害者が街娼になって、悲惨な最期を遂げた原因を父親からの期待を背負った家庭環境、Q女子高の凄まじい階級社会(努力しても1位になれない)、お試し総合職として入社し、頑張ってきたが、出世の道から外れたことにある(これも大抵そうだけど、そこはなんとか折り合いをつけて行きていくのに)と見ているようだ。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

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