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『ナニカアル』桐野夏生

桐野夏生(1951年生)の本は何冊か読みました。どれもエンターテイナーとして面白く、売れっ子作家の地位を恣にしているのもうなずけます。

その桐野が同じく売れっ子作家だった林芙美子を林芙美子自身の回想録という形を取って、どっぷり林芙美子になりきって描いています。

この回想録は夫が絵の額の裏に隠していたものを、芙美子死後、後妻となった姪が発見したものです。迷った末に姪はこの回想録を公表せずに処分したことになっているので,この回想録そのものの存在もフィクション(?)で,この『ナニカアル』を「小説」として成り立たせています。
この切り口はさすが桐野、彼女ならではです。

林芙美子の本は遠いむかしに『放浪記』しか読んだことがないので、林芙美子の文体を知らないのですが,おそらく芙美子の文体を周知して書いたものでしょう。林芙美子は昭和26年に亡くなっているので,私の「林芙美子」は20年数年前に舞台で観た森光子の『放浪記』のイメージです。

どうして桐野は林芙美子に関心を持ったのだろうか。やはり林芙美子について本をかいた関川夏央との対談を見ると、

「今なぜ林芙美子なのか http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/466703.html

関川 ・・・・ 桐野さんがなぜ林芙美子に興味を持ったんでしょう。
桐野 私は『放浪記』や『浮雲』がとても好きで、前から林芙美子本人にも興味があったんです。物凄い人だったと思います。ところで、関川さんも『女流―林芙美子と有吉佐和子』という作品を書いておられますね。関川さんはなぜ興味を持たれたんですか。
関川 彼女みたいに元気、というか無道徳な人は、日本近代文学中の特異点でしたから。文芸至上主義的というか、ある種信仰に似たもので支えられていた近代文学を無視しながら、それでいて高レベルの近代文学を作った。
桐野 何もかも異端ですね。」

と言っています。

私は女流作家がある時代の女流作家について書くとき、その作家に自分を投影するものを見るからではないかと思うのです。瀬戸内寂聴の初期の作品『田村俊子』しかり。

桐野は戦時中の文を書くものにとって息の詰まる時代の中、林芙美子の、持つ持て余すほどのエネルギーと奔放さ,前へぐいぐい進んで行く強さ,寂しさ、芙美子の周りの濃密な人間関係。強いエネルギーを発する人間が極限の状況で文を書いて自己主張していくと、四方に軋轢を生み,戦場と化し,修羅場となる。

父親の違う子どもを五、六人生んで行商を続けるおかあさん。共に放浪を続けた芙美子。酒、タバコを飲み、パリに滞在し、漢口一番乗り、上海、陸軍報道部嘱託として参加した昭和17、18年の南方視察したシンガポール、インドネシアでの重苦しい生活。芙美子は「国際人」であったのです。

この本を読んだ息子のHPを見ると桐野の作品として今一の評価ですが、私は面白かったです。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

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