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ネパール旅行

明日からネパールに出発です。

ヒマラヤ、エベレストの国、インドの北の小さい国、(北海道の1.8倍)、人口約2700万人、ヒンズー教と仏教が混在した国です。ヒマラヤがあるので、寒いところというイメージがありますが、ネパールは緯度的には奄美大島と同じくらい亜熱帯地方です。首都カトマンズは盆地なので寒暖の差が大きく、20−3。この1週間、日中はかなり暖かいという予報です。

今日本にネパール人が増えています。インドカレーのお店に行ったら、ネパールの国旗をみるかもしれません。

ネパールの大学で長らく教鞭をとっていらっしゃったSさんがアレンジしてくださり、Sさんの旧友であるRさんがガイドを引き受けてくださいました。

14日(月) MH0089 10:55 成田発 香港着 14:50 10:10 成田発 クアラルンプール着 17.05
MH0114 20.30 クアラルンプール発 カトマンズ着 22.30
15日(火) パタン寺院周辺 ゴールデンテンプル等

16日(水) カトマンズ タルバール広場周辺  カトマンズ近郊農村

17日(木) バクタブル寺院周辺  カトマンズ近郊農村

18日(金) カトマンズ~バンプテル 
19日(土) バンプテル~ ~ポカラ
20日(日) ポカラ~カトマンズ サランコット・難民キャンプ・フェワ湖・ヒンズウ教寺院
21日(月) カトマンズ野菜市場、レンガ工場等

22日(火) 学校等

23日(水) MH0171 12:20 カトマンズ発 クラランプール着 19:20
24日(木)  MH0088 23:35 クアラランプール発 成田着 07:15

の予定です。ネパールの人々の暮らしが見られたら嬉しいと思っています。

では行ってきます。

テーマ : 旅行記 - ジャンル : 日記

『Timeless』朝吹真理子

作者は『きことわ』で芥川賞を受賞した朝吹真理子(1984年生れ)。私は2012年にこの本を読んだようです。
http://wako1202.blog50.fc2.com/blog-entry-414.html

「空から死は降ってこない。
降ってくるとしたら、
それは人間が落としている――。
芥川賞受賞から7年、待望の新作長篇小説。」

「恋愛感情も性関係もないまま結婚をした、うみとアミ。高校時代の教室、広島への修学旅行、ともに歩く六本木、そこに重なる400年前の土地の記憶、幾層ものたゆたう時間――。ぎこちない「交配」を経てうみは妊娠、やがてアミは姿を消す。2035年、父を知らぬまま17歳になった息子のアオは、旅先の奈良で、桜を見ていた……。」

本書は構成も表現もとてもおしゃれです。ファッション、音楽、美術、香水、食べ物、店など。それでいて、色々と解釈ができる暗喩が散りばめられています。かなり哲学的でもあります。本書の主人公はうみと息子のアオ(父親のアミがつけた名前)。

うみとアミは高校のクラスメートだが、高校時代から付き合いがあったわけではない。
登場人物の名前はとても個性的だ。水泳が好きで、クラゲに生まれ変わりたいといううみ。母親らしくない自由人の母の芽衣子と、ずっと別居している父。好きな人と子供を作るのが怖いというアミ。アミは被爆3世で、香料の研究をしている。アミはami(友達)かな?

タイトルのTimelessとは永遠の、時代を超えた、時間の枠に縛られないという意味のようだが、アオの姉であるうみの娘(実子ではない)はこよみという名前で「まいにちのきせつのめぐりをかんじるように」こよみという名前を実父がつけたと語っている。こよみの父はなくなり、アミは失踪する。

原爆が投下された広島。
モダン都市の六本木は坂が多く、お寺も多い。ミッドタウン、六本木ヒルズの路地に古い家屋や廃屋があったり、我善坊谷など、時代劇にそのまま出てくる名前も多い。ミッドタウンの前で江姫の火葬があったという。
そして歴史の街、奈良。

過去と未来、夢と現実が溶け合ったように展開していく。時を超えて溶けて層になっている海、うみ。

1部はうみが語り手で、2部は2035年、息子のアオが語っている。

感想の描きにくい、ストーリーを追いにくい本でした。魅力的で不思議な作品でもありました。

2019年 あけましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

2019年賀状180122荏柄神社_4211_convert_20181231233802のコピー

今年もおたおたしているうちに年が明けました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

健康でいられますように
感謝の気持ちで過ごせますように
子供たちが笑顔で健やかに過ごせますように
世界に争いがなくなりますように

みなさまにとって良いお年となりますように心よりお祈り申し上げます。

『終わった人』 内館牧子

ブログの更新も3ヶ月以上怠り、もうブログの時代も終わったかなと思いました。

周囲ではフェイスブックの利用者が圧倒的に多いようです。家族もそうです。フェイスブックも色々な利用方法があると思いますが、初期にFacebookを外国人に乗っ取られて、大変なことが起きたり、不都合が生じたりして、どうも相性が良くない。人のは時折お邪魔して拝見しているのですが、今一歩が踏み出せません。

この3ヶ月の間、読書しなかったわけではありません。でも、軽めの本で、読み捨てで、もう何を読んだのか覚えていないのです。やはり備忘録は必要だと思いました。それなら日記がベストですね。それが書けない。。。

最近同年輩の人の口に上ることの多いこの『終わった人』、作者はテレビドラマの脚本や、大相撲の元横綱審議委員として有名な内館牧子(1948年秋田生まれ)です。読んだこともないのに、なかなか手に取る気が起きませんでした。

軽い本なので、すぐ読み終わり、このまま図書館に返そうかと思ったのですが、やはりちょっと感想を書いておこうと思いました。それで、また戻ってきました。

「定年って生前葬だな。
衝撃的なこの一文から本書は始まる。
大手銀行の出世コースから子会社に出向させられ、そのまま定年を迎えた主人公・田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れる。年下でまだ仕事をしている妻は旅行などにも乗り気ではない。図書館通いやジムで体を鍛えることは、いかにも年寄りじみていて抵抗がある。どんな仕事でもいいから働きたいと職探しをしてみると、高学歴や立派な職歴がかえって邪魔をしてうまくいかない。妻や娘は「恋でもしたら」などとけしかけるが、気になる女性がいたところで、そう思い通りになるものでもない。
これからどうする?
惑い、あがき続ける田代に安息の時は訪れるのか?
ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す──。
シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない普遍的テーマを描いた話題沸騰必至の問題作。」

主人公田代壮介、1949年生まれ、63歳、岩手出身、東大法学部に、現役入学、メガバンクに就職、49歳まで出世街道まっしぐら。子会社出向し、2年後転籍となる。

「一流大学に行こうが、どんなコースを歩もうが、人間の行き着くところに大差はない。しょせん「散る桜残る桜も散る桜」なのだ」(良寛の辞世の句)。

30歳で良家の子女と見合い結婚をし、一人娘に孫二人。51歳で「終わった人」になろうが、、高級サラリーマンであった壮介は都内のブランドマンションに住む、いわゆる「勝ち組」の人だ。何より仕事が好きだった男の定年。カルチャースクールやジムに通うが、仕事に代わる充実感は得られない。
一方、妻は美容師となり、生き生きと仕事をし、家庭もギクシャクしてくる。

私もジムに通うが、こんな人がいるいる。
仕事一筋だった男性は定年後のソフトランディングがうまくいかない。自分自身で折り合いをつけるしかないのだろう。60代は気持ちの上では十分若いのだ。だが、60歳も半ばを過ぎれば、若い時のような柔軟性もなくなり、新鮮なアイディアもなく、効率的な仕事はできない。時勢に乗ろうとすれば、振り落とされ、傷を負う。

壮介はそんな時、足掻き、新しい一歩を踏み出すのだ。そこからの急展開の激動の人生。やらずにいられなかった男の気持ち、なんかわかるなあ。

それにしても男たちは郷里が好きだ。郷里のトップ高を出た仲間達。それぞれ色々な人生を歩いてきて、定年を迎え、力が抜けてきているようだ。

今の50代は定年を見据えて、定年後をちゃんと考えて、ステップを踏んでいる。時代が変わったなあと思う。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

暑かった夏

9月になりました。今年の夏は暑かったですね。今日はこの暑かった夏を忘れるほどの涼しさ。また台風がきています。

暑いと撮影にも出かけられません。いよいよ在庫も底をついてしまい、夕方から撮影に出かけることにしました。

以前にも行ったことのある座間のひまわりです。16日、もう盛りを過ぎていました。
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ひまわり畑で撮影するカップル
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暗雲が立ち込めてきました。
180816座間雨乞い_1000

そこから小倉橋の灯籠流しに向かいました。
日が落ちて小倉橋がライトアップされ、静かに灯篭が流されました。

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最後に花火が上がりました。
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夏のひと時を楽しみました。

テーマ : 写真日記 - ジャンル : 日記

暑い夏

暑い暑いと言いながら、もうお盆です。また暑さが戻ってきていますが、7月の猛暑よりはまだマシです。でも、暑い。
全てのペースがスローになっています。気がつけば、このブログも7月は一度も更新できませんでした。

暑さに弱くて、カメラを持って出かける気にもなれず、ひたすら泳ぎ、水疲れして、夜はボーっとパンパシ水泳などを見ていました。

季節の写真を少しアップします。

6月末に横須賀で撮影したクサフグ です。満月の大潮に波打ち際に集まってきて散乱するというので、Kさんからお誘いをいただきました。
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たくさんのクサフグ が集まり、岩場に上がり、産卵のスタンバイができているように見えましたが、この日、産卵は行われませんでした。それでも初めて見る自然界の不思議に感動しました。

8月初めに薬師池公園の大賀ハスを見に行きました。7月末に予定されていた観蓮会は台風のため中止となりました。
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今年は猛暑で海は混んでいるものと思っていましたが、暑すぎてお客さんが少ないそうです。この日も海岸は8月とは思えないほど空いていました。辻堂海岸にて

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なぜかもう晩夏の趣でした。

テーマ : 写真日記 - ジャンル : 日記

『土の記』 上・下 高村薫

いい本でした。良質の本でした。でも、サクサク読めるというわけにはいかず、随分時間がかかりました。農業の手順、稲作、土、土壌、雨の描写が細部に渡り、長くて読むのが大変でしたが、素晴らしい筆力だと思いました。

さて、著者高村薫(1953年大阪生まれ)は有名な作家で、何冊も大作を書いていて、いつも心惹かれていましたが、今までチャンスがなく、初めて読んだのが本書です。

一人暮らしとなった72歳の伊左夫が主人公です。夢と現、正気とボケの狭間を揺れ動いているようなところが、先に読んだ『おらおらでひとりいぐも』とよく似ています。本書の主人公も妻を亡くしたばかりです。

「東京の大学を出て関西の大手メーカーに就職し、奈良県は大宇陀の旧家の婿養子となった伊佐夫。特筆すべきことは何もない田舎の暮らしが、ほんとうは薄氷を踏むように脆いものであったのは、夫のせいか、妻のせいか。その妻を交通事故で失い、古希を迎えた伊佐夫は、残された棚田で黙々と米をつくる。」

「ラスト数瞬に茫然、愕然、絶叫! 現代人は無事、土に還れたのだろうか――。青葉アルコールと青葉アルデヒド、テルペン系化合物の混じった稲の匂いで鼻腔が膨らむ。一流メーカー勤務に見切をつけ妻の里に身を落着けた男は、今年の光合成の成果を測っていた。妻の不貞と死の謎、村人への違和感を飼い馴らす日々。その果てに、土になろうとした男を大異変が襲う。それでもこれを天命と呼ぶべきなのか……。」と書かれています。

雨の描写から始まります。雨を夢うつつに聞く伊佐夫。雨は作物を育てる恵みで、日本は雨が多く、雨を表す言葉も多いのですが、高村はそれにばたばた、ぼとぼととオノマトペを豊かに使っています。賢治の世界を思わせますが、奈良の里山を描いた河瀬直美氏の映画のシーンを思い浮かべて読みました。

本書には「」がないのです。会話はあるのですが、実際の会話も、伊佐夫の妄想も地の文に溶け込んでしまっています。何もかも夢か現かわからないような世界を描いています。

物語は2010年、奈良の大宇陀の山中に独りで暮す伊佐夫が梅雨の雨音に目覚めるところから始まります。
妻は16年前に交通事故に遭い、植物状態になり、伊佐夫はずっと介護にあたってきましたが、今年その妻が亡くなります。

伊佐夫は東京出身で地質学を専攻し、早川電機に就職し、それから旧家に婿入りしますが、ずっとサラリーマンを続けました。今は妻昭代の実家を継いで化学実験のように作物を慈しみ育てています。最近物忘れが多く、妻が生きているかのように姿を見、声を聞きます。どこまでが正気かボケてしまったのか、起きているのか夢を見ているのか定かではありません。

伊佐夫は実に勤勉で毎朝稲や野菜を見て回り、土を耕し、畦を築き、寒い季節には農業暦を克明に記し、犬や鯰の世話もしたり、孫娘を預かったり、田んぼを小学校に貸して指導をしたりと、ゆっくりする暇もない忙しさです。農家は季節季節にこんなに大変なものなでしょうか。

そんな忙しくも単調な暮らしをしてるかにみえる伊佐夫にもいろいろな出来事が起こります。妻はなぜ交通事故にあったのか。その加害者もなくなり、東京の兄も亡くなり、妻の昭代の妹久代の夫も亡くなります。そんな中、村の娘が離縁して、双子を出産します。伊佐夫は妻の不貞を疑いながらも自らの手で石を削り、文字を入れて夫婦石を作るのです。

伊佐夫の娘の陽子は優秀だが母親昭代と不仲で、アメリカへ留学し結婚し、一人娘を授かるが、母の死後離婚します。その後渡米した陽子はアイリッシュアメリカンと再婚します。

こんな時も雨が来る日も来る日も降り、作物の心配をし続けます。上谷(伊佐夫と昭代)の家系は女系で代々婿養子をとってきましたが、今は一人娘の陽子もアメリカに渡り、跡継ぎがなく、上谷も自分の代で終わりと覚悟しています。ジタバタなどしないのです。記憶の迷宮に迷い込んでしまったような伊佐夫ですが、しっかり根を張った土との暮らしは強いです。

2011年の3月には、東北大震災と原発事故が起き、村でも若者がボランティアに出かけます。その巨大な土の変動がこの物語につながっていきます。そして8月末に発生した台風が奈良県に大雨を降らすのです。

本の表紙は伊佐夫も作成したモノリス(土壌サンプル)が使われています。

みんなに特に年配者に勧めたい本でした。ぜひ辛抱強くお読みください。きっと深い感動が得られると思います。

読みたいと思っている高村薫の本に『マークスの山』、『レディ・ジョーカー』、『新リア王』、『晴子情歌』などがありますが、ほかの本も重いのでしょうか。

テーマ : 日々のつれづれ - ジャンル : 日記

『騎士団長殺し』 ー第1部 顕れるイデア編、 第2部 遷ろうメタファー編 村上春樹 (英題  Killing Commendatore)

村上春樹(1949年京都生まれ 兵庫県育ち)の7年ぶりの1050ページの超長大作です。図書館の予約して1年以上待ちました。(図書館が著作権を侵害しているというのはよく理解できるけど、新刊書は年金生活者には高くて。。。)

面白くて、グイグイと引っ張られて、久しぶりに熱中した読書ができました。「面白い」というと「ハルキスト?」と聞かれますが、数冊しか読んでいないし、特にファンということではありません。

「『1Q84』から7年――、
待ちかねた書き下ろし本格長編

その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕れるまでは」

私は上下巻の副題にある「イデア」とか「メタファー」という西洋哲学の概念は苦手で、よく理解できません。どちらかというと日本昔ばなしや怪異譚に置き換えて読んだ方がわかりやすいかもしれません。

主人公は「私」、36歳の男性の肖像画家。 まず、プロローグで、メタファーの「顔のない男」の肖像画を描こうとするが、「何もないものをどう造形すればいいの」かわからず、描けなかったというところから始まります。

主人公「私」は突然、思いもよらず妻から離婚を突きつけられ、ボロのプジョーで北へと傷心の旅に出かけます。旅から戻り、住むところのない「私」に、美大時代の友達雨田政彦が父親の家に留守番として住まないかと持ちかける。彼の父は雨田具彦という高名な日本画家で、今は90歳を超えて認知症を患い、伊豆の施設に入居している。雨田具彦の小田原郊外の山の上にあるアトリエ兼住居は空き家となっていた。「私」は生活のための肖像画を描くことを断り、この雨田具彦の山の上の家で自分の本当に描きたい絵を模索するようになる。

この物語は小田原郊外の山の上で暮らした9ヶ月間の回想です。

ある日、「私」はがさがさいう音がアトリエの屋根裏から聞こえ、上ってみると、そこには「騎士団長殺し」と題した大きな日本画があった。それは雨田具彦の画集には掲載されていない、モーツアルトの「ドン・ジョバンニ」をモチーフにしたもののようだった。

「私」は友人雨田政彦から小田原駅前のカルチャー教室で絵の講師を紹介される。そして山の上の家で、教室で出会った女性と関係を持ったり、日本画家雨田具彦について調べたり、具彦のレコードを聴いたり、別れた妻を回想したりして暮らす。

ある深夜に鈴の音が聞こえて、目を覚ました。そんな時、山向こうの富豪、免色渉が法外な金額で肖像画を描いてほしいと現れる。そして、彼と一緒にその鈴の音が聞こえる穴を掘ることになり、その穴の中には古い鈴がひとつ残されており、それを持ち帰りる。

免色渉は大きな屋敷に住み、外車を4台も持ち、「華麗なるギャッツビー」や村上ファンドの村上氏を連想させます。この富豪も色彩のない名前です。作者は名前に色のないということにこだわりを持っているようです。それはなんのメタファーなのでしょうか?
http://wako1202.blog50.fc2.com/blog-entry-571.html

免色渉の依頼により、彼の生徒である絵画教室に通う中学一年の美少女、秋川まりえの肖像を描くことになる。まりえは「私」の12歳でなくなった妹を思い出させる。免色はこのまりえを自分の娘ではないかと思って、この豪邸を半ば強引に買い、山向こうから毎夜双眼鏡でまりえを見ていたのだ。一方、具彦の絵の「騎士団長」は絵から抜け出て、「私」の前に姿を見せる。絵と同じサイズの60cmのイデアだが、「私」とまりえ(第2部)にしか見えない。

この間に別れた妻柚(ユズ)や妹小径(コミ)との回想が織り込まれています。ここで第1巻が終わります。

下巻ではこの「騎士団長」のイデアや「顔なが」のメタファー助けを借りて行方不明になったまりえを助けるため、何かに導かれるように異界の世界を探し回ることになります。

現実と非現実(時に夢)、存在と非存在、目に見えるものと見えないもの(見える人と見えない人)、イデア(観念)の世界。『1Q84』同様現実の世界と異界の壁が溶けてなくなるような狭間の世界が描かれています。

免色のセリフ
「自分という存在の意味が、自分がこうしてここに生きていることの理由が、今ひとつよくわからなくなってきました。 ・・・・ これまで確かだと見なしていたものごとの価値が、思いもよらず不確かなものになっていくみたいに」

「涅槃(ねはん)は生死を超えたところにあるものです。 ・・・・肉体は死滅したとしても、魂は生死を超えた場所に移っていることもできるでしょう。 ・・・・この世の肉体というのはあくまでかりそめの宿に過ぎませんから。 」

この免色は容姿、資産、頭脳、知識、自己抑制について抜きん出た人物として描かれています。

本書には相変わらず音楽、車、絵画、哲学などの深い造詣が随所にキラキラと光っています。これをうざいと感じる人もいることでしょう。

まりえの父がオウム真理教を思わせる宗教団体に入れ込んでいたり、神戸や東日本大震災があったり、歴史的にはナチス、南京大虐殺が重要な背景として描かれています。

「私」は免色の肖像画を描く時、「アイデアは唐突に、しかし自然にやってきた。・・・・それがどのような絵に進展していくのか、自分でも予想がつかなかった・・・・・もしそこにひとつの流れがあるのなら、流れとともに進んでいくしかない。・・・ 考えないことが何より大事だった。・・・・しかるべき時間の経過がおそらく私に、それがなんであるかを教えてくれるはずだ。それを待たなくてはならない」と肖像画の定石を外して描き始める。

「騎士団長」は言う。「つまり他者による認識のないところにイデアは存在し得ない。・・・イデアは他者の認識そのものをエネルギー源として存在している。・・・・・ なぜならば、人が何かを考えるのをやめようと思って、考えるのをやめることは、ほとんど不可能だからだ。何かを考えるのをやめようと考えるのも考えのひとつであって、その考えを持っている限り、その何かもまた考えられているからだ。何かを考えるのをやめるためには、それをやめようと考えること自体をやめなくてはならない」

村上春樹は小説を書く時、この画家「私」のように物語を紡いでいるのでしょうか。穴の中に入り、暗闇の中に身を置いて、現実と非現実の狭間で自分の魂に出会って、それを再現しているのでしょうか。「穴」ー大江健三郎や安部公房も穴にこだわっていたなあと思いました。

目に見えない現実の世界。

ハルキらしくなく、ハッピーエンド?でしたが、この本は「上下巻」ではなく、第1巻、第2巻なので、『1Q84』のように第3巻があるのでしょうか。

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『R帝国』 中村文則

本書は作者中村文則(1977年、愛知生まれ)の18冊目の本だそうです。私の読んだ彼の本はこれが3冊目です。本書は『教団X』と似たような重量感を持っています。
http://wako1202.blog50.fc2.com/blog-entry-827.html

作者中村は「作家として覚悟を持って書いた」と語っています。さらに執筆動機を「現在が右傾化しているという危機感があるからです。フェイクニュースであるとか、メディアの委縮、ネット上の差別などがものすごく広がっているなかで、作家として何ができるだろうと考えて、こういう小説になった。」そうです。

表題の裏ページに「人々は、小さな嘘より大きな嘘に騙されやすい」というアドルフ・ヒトラーの言葉が引用されています。

「舞台は、近未来の架空の島国・R帝国。ある日、矢崎はR帝国が隣国と戦争を始めたことを知る。だが、何かがおかしい。国家を支配する絶対的な存在”党”と、謎の組織「L」。やがて世界は、思わぬ方向へと暴走していく――。世界の真実を炙り出す驚愕の物語。」

絶対権力の「党」に支配された島国・R帝国は国民の圧倒的な支持のもとに他国との戦争を繰り返している。R帝国は民主主義国家を標榜するため、野党もあるが、実態は与党R党が99%を占める独裁国家だ。街には防犯カメラが設置され、常に国民は国家から徹底的に監視されている。党の施策に疑問を呈すれば、巧妙な情報操作で排除されていく全体主義の管理社会だ。ジョージ・オーウェルの『1984』を思わせるデストピア小説です。
http://wako1202.blog50.fc2.com/blog-entry-796.html

「朝、目が覚めると戦争が始まっていた」という一文で始まります。AIが搭載された携帯電話HP (Human Phone) は自ら意志を持ち、会話することができます。

本書の主人公は矢崎とアルファ、栗原とサキ、二組の男女とHP。
R帝国最北の島コーマ市に暮らす会社員の矢崎は突然街はY宗国による激しい空爆に襲われ、原発が占拠された。大勢の人が虫けらのように殺される。矢崎はそんな中、Y宗国のテログループの女兵士アルファに助けられる。

一方首都では弱小野党の議員片岡の秘書、栗原が地下組織「L」のサキと出会うが、国家の策謀に巻き込まれて行く。 

R帝国の「党」の主要人物である加賀が「人々が欲しいのは、真実ではなく半径5メートルの幸福なのだ」と繰り返し言う。「党」は移民を軽蔑、差別し、ヘイトスピーチにより憎悪を掻き立てる。コーマ島が占拠され、原発が破壊される。

登場人物の姓は日本人の名前だが、「日本」という国は小説に出てくる国であり、舞台はR帝国だ。加賀は栗原に小説の中の日本国ではかつて沖縄戦があったと沖縄戦の国家の非道さと悲惨さを語る。

本書に登場する全ての国々はアルファベット1文字です。きっと意味があって作者がつけていると思いますが、このR帝国のRはRound(日の丸)、地下組織のLはLibertyかなと思いました。

それに加賀のような悪の非道な人物をもっと魅力的に描けていれば、SF的ディストピアもさらにリアルに感じられたと思います。


絶対多数の自民党が森友学園のような教育方針を推奨し、次々に戦前へ回帰するような法案を通してきています。R帝国の国民を監視する管理社会がもうそこまできているようで、背筋がゾッとしてきます。孫たちの時代は平和で、自由に自分の意見の言える社会でなければなりません。今私たちに何ができるでしょうか。


『教団X』も、本書も面白かったのですが、読売新聞の連載小説だったからか、エンターテイメントに傾きすぎているように思いました。
本書だけではなく、近年ディストピア小説がよく書かれ、読まれていますが、どれも、ジョージ・オーウェルの『1984』には及びませんね。

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ゴールデンウィーク 初夏の風

今日はゴールデンウィーク最終日、皆様はいかにお過ごしでしたでしょうか。連休後半は雨との予報を裏切り、連日五月晴れでした!

このところ本の感想ばかりでしたので、近場で撮った5月の風を載せたいとおもいます。

5月1日 横浜にて 今横浜はGarden Necklace in Yokohamaと題し、横浜各地をお花で飾っています。今はバラが綺麗です。 

ベイブリッジを背景に深紅のバラ 港の見える丘公園 (多重露光) 

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マリンタワーとバラ (山下公園)
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バラとミツバチ
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5月2日
芝の増上寺には水子地蔵がたくさんあります。風車が時折風でクルクル回っていました。青モミジも綺麗でした。

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東京タワーの333の鯉のぼり

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5月4日
カニを獲りたいいカイ君(6歳)たちと一緒に江ノ島に行きました。
風の強い日でした。岩屋に行く船は欠航。

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江島神社へ行く参道は初詣のような混雑ぶり。10時ごろからレストランに並ぶ人で、歩くこともできません。

階段を上ったり降りたりして、やっと岩屋のある岩場へ着きました。岩屋も長蛇の列。昨年の台風で被害の大きかった岩屋はゴールデンウィークに合わせて再開していましたが、強風で岩場はクローズ。カニ獲りはできませんでした。。。

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片瀬海岸に戻りました。子供たちは砂浜で駆け回っていました。

餌を求めて低く飛ぶトンビとウィンドサーフィンを楽しむ人々

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5月5日 子供の日

近くの神社で恒例の泣き相撲が行われました。元気に育てとおじいちゃん、おばあちゃん、家族総出でたくさんの赤ちゃんが集まりました。平和です。
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******
今週の8日火曜日からあざみ野アートフォーラムで122名による合同写真展が開催されます。一人6〜9点。私も「連帯ーPride in London」と題する9枚の組写真を出品しました。お時間のある方はお遊びにおいでいただけたら、嬉しいです。

テーマ : 写真日記 - ジャンル : 日記

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